Windowsでフォルダにパスワードをかける基本知識
Windowsを使っていると、仕事の書類や個人の写真など、他人に見られたくないデータをフォルダごと保護したい場面があるでしょう。しかし、Windowsには標準機能としてフォルダに直接パスワードを設定する方法は用意されていません。MicrosoftはWindows 8以降、ファイルシステム上でフォルダに個別のパスワードをかける機能を削除しました。そのため、現在のWindows 10やWindows 11でフォルダをパスワードで保護するには、サードパーティのソフトを利用するか、別の仕組みを活用する必要があります。本記事では、いくつかの実用的な方法を解説し、それぞれのメリットとデメリットを整理します。
方法1:圧縮ツールを使ってパスワード付きアーカイブを作成する
最も信頼性が高く、無料で使える方法が、7-ZipやWinRARなどの圧縮・解凍ソフトを利用する方法です。フォルダ全体をZIP形式や7z形式、RAR形式に圧縮する際にパスワードを設定することで、ファイルを暗号化して保護できます。この方法は、Windowsの標準機能ではなくても、第三者に中身を開かれるリスクを大幅に減らせます。具体的な手順は以下の通りです。
まず、7-Zipを公式サイトからダウンロードしてインストールします。インストール後、保護したいフォルダを右クリックし、表示されるメニューから「7-Zip」→「アーカイブに追加」を選びます。すると、圧縮設定の画面が開くので、アーカイブ形式を「zip」または「7z」に指定し、右側の「暗号化」セクションでパスワードを入力します。このとき、「ファイル名を暗号化」にチェックを入れておくと、アーカイブ内のファイル名も見えなくなるのでより安全です。最後に「OK」をクリックすれば、パスワード付きの圧縮ファイルが作成されます。
WinRARを使用する場合もほぼ同じです。フォルダを右クリックして「アーカイブに追加」を選び、アーカイブ形式を「RAR」または「ZIP」に設定し、「詳細設定」タブにある「パスワードの設定」ボタンからパスワードを入力します。RAR形式は暗号化強度が高いことで知られており、重要なデータにはRAR形式が推奨されます。ただし、いずれの方法でも、圧縮ファイルを開くたびにパスワードの入力が必要になるため、頻繁にアクセスするフォルダにはやや手間がかかります。

この方法の最大の利点は、ソフトが無料で利用できることと、暗号化の強度が高いことです。また、圧縮ファイルはメールに添付したりクラウドに保存したりする際にも安全です。一方、元のフォルダはそのまま残るため、圧縮後に元のフォルダを削除するか、安全な場所に移動する必要があります。削除を忘れると、パスワード無しでフォルダにアクセスできてしまうので注意が必要です。
以下に、7-ZipとWinRARの主な比較を表にまとめました。
| 機能 | 7-Zip | WinRAR |
|---|---|---|
| 価格 | 完全無料 | シェアウェア(試用期間あり) |
| 対応形式 | 7z, ZIP, GZIP, BZIP2, TARなど | RAR, ZIP, 7z, CAB, ARJなど |
| 暗号化方式 | AES-256 | AES-256 |
| ファイル名の暗号化 | 7z形式で可能 | RAR形式で可能 |
| 日本語インターフェース | 対応 | 対応 |
方法2:Windowsの暗号化ファイルシステム(EFS)を利用する
Windowsには、フォルダやファイルを暗号化する標準機能としてEFS(Encrypting File System)が用意されています。EFSは、フォルダを右クリックして「プロパティ」→「詳細設定」→「データをセキュリティで保護するために内容を暗号化する」にチェックを入れることで有効になります。この機能は、Windowsのユーザーアカウントに紐づいて暗号化を行うもので、フォルダに個別のパスワードを設定するわけではありません。暗号化されたフォルダにアクセスできるのは、暗号化を行ったユーザーアカウントでログインしている場合のみです。
EFSのメリットは、特別なソフトをインストールせずにWindows標準で使える点です。また、暗号化と復号が透過的に行われるため、ユーザーは普段通りファイルを開いたり編集したりできます。パスワードを毎回入力する必要がないので、使い勝手は良好です。ただし、この方法はフォルダをパスワードで保護するというより、ユーザーアカウント自体のパスワードに依存する方式です。つまり、パソコンを他人に貸した場合、そのユーザーアカウントにログインされると暗号化は無意味になります。

また、EFSはWindowsのエディションによって利用できない場合があります。例えば、Windows 10 HomeエディションではEFSがサポートされていません。そのため、自宅のパソコンがHomeエディションの場合は、この方法は使えません。さらに、暗号化に使われる証明書を誤って削除したり、OSを再インストールしたりすると、データにアクセスできなくなるリスクもあります。重要なデータをEFSで保護する場合は、必ず暗号化証明書のバックアップを取っておく必要があります。
EFSは、あくまで「自分のアカウントにログインしていれば誰でもアクセスできる」という仕組みであり、フォルダに独立したパスワードをかけたい場合には適していません。しかし、パソコン自体を共有しない環境で、万が一パソコンを紛失した際のデータ漏洩を防ぐ目的には有効です。
方法3:専用のロックツールを使う
フォルダにパスワードをかけるための専用ツールも多数存在します。これらのツールは、フォルダをロック状態にし、アクセスしようとするとパスワード入力を求める仕組みを提供します。代表的なツールとして「Lock-a-Folder」や「Folder Guard」などがあります。これらのソフトは、インストール後に保護したいフォルダを選択し、マスターパスワードを設定するだけで使えます。
Lock-a-Folderの場合、起動して「フォルダをロック」ボタンをクリックし、対象フォルダを選ぶと、そのフォルダがエクスプローラ上から見えなくなったり、開こうとするとパスワードが要求されるようになります。この方式は直感的で、圧縮や暗号化の知識がなくても簡単に使える点が魅力です。ただし、これらのツールの多くは個人利用では無料ですが、商用利用や高度な機能には有料版が必要な場合があります。

ただし、専用ツールには注意点もあります。例えば、OSのアップデートやバージョンアップにより互換性が失われることがあります。また、ツール自体が悪意のあるソフトウェアでないことを確認するために、公式サイトや信頼できる配布元からダウンロードすることが重要です。特に、無料のツールの中には、バックドアやアドウェアが含まれているケースも報告されているため、利用前にセキュリティソフトでチェックすることをおすすめします。
フォルダ保護の方法を選ぶ際のポイント
ここまでに紹介した3つの方法には、それぞれ長所と短所があります。以下のリストで主要なポイントを整理します。
- 圧縮ツールによる暗号化:最も確実で強力な暗号化が可能。ファイルの受け渡しに便利。ただし、圧縮と解凍の手間がかかる。
- Windows EFS:標準機能で追加ソフト不要。ユーザーアカウントに依存するため、共有環境には不向き。Homeエディションでは利用不可。
- 専用ロックツール:操作が簡単で、フォルダを直接ロックできる。ただし、OSやツールの更新に注意が必要。無料ツールは品質にばらつきがある。
また、利用シーンによって最適な方法は変わります。例えば、仕事の書類をUSBメモリで持ち運ぶ場合は、圧縮ツールで暗号化したファイルが安全です。自宅のパソコンで家族に見られたくないデータを保護するなら、専用ロックツールやEFSが便利でしょう。それぞれの特徴を理解した上で、自分の目的に合った方法を選んでください。
参考リンク
記事内で紹介した方法の詳細や、ツールのダウンロードについては、以下のリンクを参照してください。7-Zipの公式サイトでは最新版のソフトウェアを無料で入手できます。また、Microsoftの公式ドキュメントではEFSの技術的な仕様や注意点が詳しく解説されています。

7-Zip公式サイト - 圧縮・暗号化ツールのダウンロードページ
Microsoft Learn: Encrypting File System - EFSの公式ドキュメント
参考文献
本記事の執筆にあたり、以下の情報源を参考にしました。フォルダ保護の方法についてさらに詳しく知りたい場合は、これらの資料もご覧ください。
Corsair – Como proteger as suas pastas com palavra-passe no Windows (Windowsのフォルダをパスワードで保護する方法). 2023. Corsair. https://www.corsair.com/br/pt/explorer/diy-builder/storage/how-to-password-protect-your-folders-in-windows/

Avast – Proteja arquivos ou pastas no Windows com senha (Windowsでファイルやフォルダをパスワードで保護する). 2023. Avast. https://www.avast.com/pt-br/c-password-protect-file-folder-windows-33
Canaltech – Como colocar senha em uma pasta do computador (パソコンのフォルダにパスワードを設定する方法). 2023. Canaltech. https://canaltech.com.br/windows/como-colocar-senha-em-uma-pasta-do-computador/
Dropbox – How to password protect a file (ファイルをパスワードで保護する方法). 2023. Dropbox. https://www.dropbox.com/pt_BR/resources/how-to-password-protect-a-file
Microsoft Learn – Encrypting File System (暗号化ファイルシステム). 2023. Microsoft. https://learn.microsoft.com/en-us/windows/security/threat-protection/encrypting-file-system
TOTVS – Como colocar senha em pasta e proteger seus arquivos (フォルダにパスワードを設定してファイルを保護する方法). 2023. TOTVS. https://www.totvs.com/blog/gestao-para-assinatura-de-documentos/como-colocar-senha-em-uma-pasta/
Microsoft Q&A – Como colocar senha na pasta? (フォルダにパスワードを設定するには?). 2023. Microsoft. https://learn.microsoft.com/pt-br/answers/questions/4098345/como-colocar-senha-na-pasta





