RAMのモデルを確認するための基本的な方法
パソコンに搭載されているRAMのモデルを把握することは、メモリの増設や交換、トラブルシューティングの第一歩です。RAMの型番やメーカー、速度、容量といった情報は、互換性のある部品を選ぶために欠かせません。特に、DDR3、DDR4、DDR5といった世代が異なると物理的に装着できない場合があるため、正確な確認が必要です。以下に、確認する際に注目すべき主な情報をリストにまとめました。
- メーカー名(例:Corsair、Kingston、Samsung)
- 製品型番(Part Number)
- 容量(例:8GB、16GB、32GB)
- 動作速度(例:DDR4-3200、DDR5-4800)
- フォームファクタ(DIMM、SO-DIMM)
- シリアル番号(個体識別用)
これらの情報を取得する方法は複数あります。Windows標準のツールから専用ソフトウェア、BIOS画面まで、それぞれに特徴があります。以下では、最も確実な外部ツールから手軽な方法までを順に解説します。
CPU-Zを使用した詳細な確認手順
RAMのモデルを詳細に調べるには、CPU-Zという無料ツールが非常に信頼性が高いです。このソフトはCPUID社が提供しており、CPUだけでなくメモリに関するあらゆる情報を取得できます。まず、CPU-Z公式サイトから最新バージョンをダウンロードし、インストールしてください。インストール後、ソフトを起動すると複数のタブが表示されます。

最も重要なのはSPDタブです。SPDはメモリモジュール自体に書き込まれた情報で、メーカー名、型番、シリアル番号、製造週、タイミング、電圧などが正確に読み取れます。複数のスロットがある場合は、タブ内のドロップダウンでスロットを切り替えられます。Memoryタブでは、現在動作しているクロック速度やタイプ(DDR3、DDR4、DDR5)を確認できます。CPU-Zは軽量で、インストールの必要がないポータブル版も用意されているため、一時的なチェックに便利です。ただし、最新のRAMの中にはSPD情報を完全に公開していないものもあるため、その場合は他の方法と併用するとよいでしょう。
コマンドプロンプト(wmic)を用いた確認方法
Windowsに標準搭載のコマンドプロンプトを使う方法も有効です。管理者権限は不要ですが、一部の情報は表示されないことがあります。手順は以下の通りです。まず、キーボードのWindowsキーを押して「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを開きます。次に、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
wmic MemoryChip get BankLabel, Manufacturer, PartNumber, SerialNumber, Capacity, Speed, MemoryType

このコマンドを実行すると、各メモリスロットの情報がテーブル形式で表示されます。Manufacturerにはメーカー名、PartNumberには製品型番、Capacityにはバイト単位の容量(例:8589934592は8GB)、Speedには動作速度、MemoryTypeにはDDRの世代(20はDDR、21はDDR2、24はDDR3、26はDDR4、34はDDR5)が出力されます。ただし、メーカー名が「Unknown」と表示される場合や、MemoryTypeが正確でない場合もあるため、補助的に使うとよいでしょう。より詳細な情報が必要な場合は、PowerShellの方が信頼性が高いです。PowerShellを管理者として開き、以下のコマンドを実行してください。
Get-CimInstance Win32_PhysicalMemory | Format-Table BankLabel, Manufacturer, PartNumber, SerialNumber, Capacity, Speed, MemoryType
このコマンドはwmicとほぼ同じ情報を取得できますが、出力が見やすく、オブジェクトとして扱いやすい利点があります。コマンドに関する詳細は、WMICコマンドの詳細を参照してください。

タスクマネージャーとBIOS/UEFIからの確認
より手軽な方法として、Windowsタスクマネージャーを利用できます。Ctrl + Shift + Escキーを同時に押してタスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブをクリックし、左側の「メモリ」を選択します。ここでは、使用中のメモリ容量、速度、フォームファクタ(DIMMまたはSO-DIMM)、使用済みスロット数などが表示されます。ただし、メーカー名や型番、シリアル番号などの詳細なモデル情報は取得できません。そのため、大まかなスペックを素早く確認したい場合に適しています。
さらに確実な情報を得るには、BIOSまたはUEFI画面を直接確認する方法があります。パソコンを再起動し、起動中に特定のキー(多くの場合DelキーまたはF2キー)を押してBIOS設定に入ります。メニューはマザーボードメーカーによって異なりますが、通常は「Memory Information」や「System Information」といった項目に、各スロットに装着されたRAMのメーカー、型番、速度、容量が一覧表示されます。BIOSはOSに依存しないため、Windowsが起動しない場合でも確認できるという利点があります。ただし、初心者にとっては操作に戸惑う可能性があるため、事前にマザーボードのマニュアルを参照することをおすすめします。
各方法の比較
ここまで紹介した方法を、取得できる情報の詳細度や難易度で比較します。以下のテーブルを参考に、自分のスキルや目的に合った方法を選んでください。

| 方法 | 取得できる情報 | 難易度 | 必要なツール |
|---|---|---|---|
| CPU-Z | メーカー、型番、シリアル番号、速度、タイミング、電圧 | 低 | CPU-Zインストール |
| wmic | メーカー、型番、容量、速度、MemoryType | 中 | コマンドプロンプト |
| PowerShell | 同上(wmicより信頼性高) | 中 | PowerShell |
| タスクマネージャー | 容量、速度、フォームファクタ | 低 | 標準搭載 |
| BIOS/UEFI | メーカー、型番、容量、速度(完全なモジュール情報) | 低 | 再起動が必要 |
CPU-ZとBIOSは最も詳細な情報を提供しますが、CPU-ZはOS上で簡単に操作できる点で初心者に向いています。wmicやPowerShellはスクリプトに組み込んで自動化できるため、複数台のPCを管理する場合に便利です。タスクマネージャーは手軽さが魅力ですが、モデル特定には不十分です。自分が求めている情報のレベルに応じて使い分けてください。
まとめと注意点
RAMのモデルを確認する方法は複数存在し、それぞれに長所と短所があります。正確な型番やシリアル番号が必要ならCPU-ZまたはBIOSを、コマンドラインで素早く確認したいならwmicやPowerShellを、ざっくりとしたスペックだけ知りたいならタスクマネージャーを使うとよいでしょう。どの方法を選ぶにしても、静電気による部品破損を防ぐために、PC内部に触れる際は必ず電源を切り、アースを取るなど注意してください。また、RAMのモデル情報をメモしておけば、将来のアップグレードやサポート依頼の際に役立ちます。
特に、CPU-Zは外部ツールですが、安全性が高く、多くのユーザーに利用されています。一方、BIOSの情報は確実ですが、設定変更を誤るとシステムが不安定になるリスクがあるため、確認のみに留めましょう。タスクマネージャーの速度表示が実際の動作クロックと異なる場合もあるため、正確性を期すなら他の方法と照合することをおすすめします。

参考文献
本記事の作成にあたり、以下の情報源を参考にしました。
CPUID. CPU-Z. https://www.cpuid.com/softwares/cpu-z.html
Microsoft. wmic. https://learn.microsoft.com/en-us/windows-server/administration/windows-commands/wmic
Microsoft. Get-CimInstance. https://learn.microsoft.com/en-us/powershell/module/cimcmdlets/get-ciminstance
Microsoft. View custom resource usage and performance. https://support.microsoft.com/en-us/windows/view-custom-resource-usage-and-performance
Corsair. What RAM do I have in my PC? https://www.corsair.com/br/pt/explorer/diy-builder/memory/what-ram-do-i-have-in-my-pc/




